主夫やイクメンが抱える苦悩「パタニティブルー」ってなに?

イクメンたちの憂鬱「パタニティブルー」症候群

イクメンたちの憂鬱「パタニティブルー」症候群

 

最近では、子育てに熱心な父親たちのことを「イクメン」と呼びその存在も市民権を得ている感がありますね。

メディアなどで取り上げられる微笑ましい面や温かい家庭の雰囲気の陰で、実は厳しい現実に直面している人たちがいます。

苦しんでいる人たちは、仕事との両立でクタクタになったり、育児に自信をなくしたりした結果「パタニティーブルー」と呼ばれる憂鬱な状態に陥る父親たちがいることがわかってきました。

この「パタニティブルー」とは、母親の産後うつ「マタニティーブルー」の父親版ともいえる症状です。

今どきのイクメンパパたちが抱える育児ストレスの現実をみてみましょう。

 

ハッピーな家庭の陰に潜む精神的疾患

夫婦の間に子どもが生まれて本当は幸せなのに、なぜか?憂鬱になったりイライラしたり、あるいはうつ状態になることもある。

これは、女性がホルモンバランスの変化で出産後に陥るマタニティーブルーの症状です。

今、社会ではこの男性版ともいえる「パタニティーブルー」が目立ってきました。

これは子供を持つ父親がマタニティブルーと同様の症状で悩むことを指し、パタニティーは英語で「父性」の意味になります。

専門の医師によると、パタニティーブルーの典型的な症状はこんな感じです。

「妻の妊娠時から不安やいら立ちが高まり、出産後赤ちゃんが生後3カ月ぐらいまで頭痛や不眠、下痢や便秘が続く」という症状が起こります。

その後、身体的な症状は軽くなることが多いのですが「育児期もストレスが悪化すると、妻や子どもに否定的な感情を抱くようになることもある」と精神的な症状もあるといわれています。

 

なぜこうしたパタニティーブルーは起きるのか?

男性の育児に詳しい専門家はこのように解説しています。

「女性は妊娠することでホルモンバランスが変化します。すると体も心も母親への準備が徐々に進むようになります。しかし、男性は自覚を高めにくいまま子どもが生まれ父親になるためにそういったことが起こりやすいのです」

「よーし、イクメンになるぞ!と張り切っていても、いざ子供が生まれると赤ちゃんの抱き方やあやし方が分からず自信をなくしてしまう人が多い」らしいのです。

こういったことは男性の育児への周囲の無理解や、悩みを共有できる相手がいないのも原因の一つと思われます。

日本では、会社に育児休業や時短勤務の取得を求めても、職場の上司や同僚からも理解を得られず、悩みを誰かと共有することができずに孤立してしまいがちです。

そこに仕事と育児の疲れがたまると、ストレスが悪化しパタニティブルーに陥ってしまうということです。

 

わが国のサラリーマン育児事情

厚生労働省によると、2014年度の男性の育休取得率はわずか2.3%でした。

世の中の男性正社員の30%は、取りたくても取れていないのが現状です。

このため、国も一応は男性の育休取得を後押しています。

厚労省は昨年から、部下の育児参加を支援し、自らも仕事と生活のバランスを取る管理職を表彰する「イクボスアワード」を始めました。

そして厚労省的には「育休が取れないという日本社会の空気を変えるには管理職の意識改革が必要。

残業時間を減らし、業務効率が上がり経営によい循環を生んだ事例を広めたい」ということらしいです。

 

育児先進国スウェーデンに学ぶ

父親たちがパタニティーブルーに悩む原因の一つは、まだまだ日本では育児を担う男性が少なく、育児について話をする仲間もいなくて孤独感を感じやすいためです。

一方、スウェーデンでは実に男性の9割が育児休暇を取るなど、父親が積極的に子育てに関わっていることで有名です。

来日したオーサ・レグネール児童・高齢者・男女平等相に、男性の育児参加を増やす方策をインタビューした記事を紹介します。

(引用元 電子版 日経スタイル)

我が国は1974年、世界で初めて両親が取得できる育児休暇を導入した。

1995年にはこの休暇の中で、父または母のみが取得でき、相手に譲れない1カ月の「パパ・ママ・クオータ」期間を設けた。

2002年に2カ月に増やしたのを機に、父親の休暇取得はぐんと増えた。

男性が取った育児休暇の日数の比率は24.5%(2012年)に達し、1日でも育児休業を取った男性は9割を占める。

2016年1月には、さらに3カ月に延ばす。

より多くの男性が取得すればするほど、男性が育児をするのが普通のことになるからだ。

1970年代に夫婦合算の課税方式を個人単位に切り替えたことで、女性の労働参加が増えた。

介護や保育サービスの整備で女性が働きに出やすくなり、同時に新たな雇用機会も生み出した。

家庭と仕事の両立が可能な社会を実現するには、政治および民間部門のリーダーシップが不可欠。

安倍政権が男女機会均等を重視するのは非常に意義がある。

変化には時間がかかる。

男性の育児参加が進んでいるといわれるスウェーデンでも、男性が取得する育休日数の割合は約25%で、まだ五分五分の分担にはなっていない。

父親は子どもとスポーツやピクニックに出かける時間が多い。一方で母親は掃除や洗濯を担い、さらに子育てにも時間を割いている。

女性は不当に多くの責任を負っているが、これもよりよい分担に向けて変わっていくだろう。

父親の育児参加は男女平等の問題だけでなく、子どもが両親双方と一緒に過ごし、関係を築く権利のためにも必要だ。

親であることは男性にとっても決してオプションではない。

子どもと過ごす時間は人生において貴重で、従業員にその機会を提供する職場は魅力的で、成長が見込めると期待できる。

男女が労働市場に参加し経済成長を支えるには、家事や育児など無償労働を男女双方が担えるよう社会を変えねばならない。

社会が(伝統的でない)新たな性別役割を受け入れることは、夫婦にとってはもちろんのこと、経済の側面からも理にかなう。

そうでないと、わずかな担い手で多くの人を養う社会になりかねないからだ。

 

まとめ

日本は、ヨーロッパやアメリカにくらべまだまだ男性の育児や会社などでも育児休暇に対する考えが遅れているといえますね。

その反面、実生活においてはどんどん育児に参加する父親も増えているのが現状なので、パタニティブルーなどに対応する治療の方法などもこれから増えてくると思います。

子供にとってはお父さんお母さんの両方に関心を持ってもらって、愛情たっぷりで育つのはとてもいいことである反面、その陰ではいろいろなストレスを親は抱えてしまうのもなんともいえないジレンマですね。

このサイトも育児に取り組むパパ同士が孤独にならずにいろいろ交流できるようなものにもしていきたいと思っています。

育児に奮闘するパパたちの心の支えになれれば幸いです!